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アングレーム大賞候補に「PLUTO」「芋虫」 児童部門「ナルト」「コナン」

2011年1月27日から30日まで、フランスで開催されるアングレーム国際コミック(バンドデシネ)フェスティバル(Festival International de la Bande Dessinée)2011は、2010年の優れた作品をリストアップする公式セレクション(SÉLECTION OFFICIELLE)58冊を発表した。

この公式セレクションは、フェスティバル期間中に発表されるグランプリ、各賞の選考候補を兼ねたものである。作品はヨーロッパのバンド・デシネだけでなく、フランスで発売されたアメリカンコミックスや日本のマンガも対象となる。過去一年間でフランス人が最も評価した作品群と言っていい。

公式リストのなかには、日本マンガからも2作品『PLUTO』(浦沢直樹:著,手塚治虫:原著,長崎尚志:プロデュース)、『芋虫』(丸尾末広)が選ばれている。『PLUTO』はこれまでもたびたびアングレームで作品を取り上げられてきた浦沢直樹さんの代表作である。手塚治虫さんの『鉄腕アトム』「地上最大のロボット」を大胆にアレンジし、国内で高く評価さた。今年10月に米国のイルミネーション・エンターテインメントにより実写映画化企画が発表されるなど国際的にも注目が高まっている。

一方、『芋虫』はその耽美的な絵柄でカルト的な人気を誇る丸尾末広さんの近作だ。こちらも推理小説の大家であった江戸川乱歩さんの小説を原作にとる。コアな作品に目を向けるフランスらしい選択となった。

また日本作家の作品でないが、フランス作家Florent Chavouet氏が日本の瀬戸内海の小島を舞台に描いた『ManabéShima』がリストに挙げられた。このほかアメリカンコミックスの大ベストセラー『WALKING DEAD』やフランスの大物作家メビウスの『アルザック』などの有名タイトルも含まれる。

アングレームは公式セレクションのほかに2つのリストも作成する。ひとつは歴史に残すべき作品を選ぶ遺産賞の候補作SÉLECTION PATRIMOINE 2010)、もうひとつは児童作品部門になるユースセレクション(SÉLECTION JEUNESSE 2010)だ。

遺産賞の候補は、毎年日本のマンガが多くリストアップされる部門だ。今回は8作品のうち3作品が日本からとなった。石ノ森章太郎さんの『佐武と市捕物控』、松本正彦さんの『たばこ屋の娘』、高森朝雄さん原作・ちばてつや さん作画の『あしたのジョー』である。こちらも日本以外ではあまり光が当たらない過去の名作にスポットを当てる。

ユースセレクションは20作、日本からは岸本斉史さんの『NARUTO』、青山剛昌さんの『名探偵コナン』。いずれもフランスの子どもたちに大人気の作品である。2010年も日本からの候補は多かったが、いずれの部門からも受賞はなかった。2011年に期待したいところだ。

アングレームはフランスのイベントではあるが、その作品を選ぶ確かな眼と各国の作品がクロスオーバーするという特徴もあり、急激に存在感が増している。期間中は作品の紹介だけでなく、シンポジウムや展覧会、教育プログラムなどが多数行なわれる。

また、2009年よりマンガの特化した特別な展示会場を設けるなど、アジアカルチャーとの交流にも熱心である。これまでに『ONE PICE』、水木しげるさん、CLAMPなどの企画展示が行われた。来年は池田理代子さんの『ベルサイユのバラ』の企画展示が行なわれる。また「Manga Underground : point de vue de femme」では日本の女性マンガ家にフォーカスし、アルタネイティブカルチャーとしてガロとAXにスポットを当てる。さらにマンガとバンド・デシネの関係を「BD et Manga」で、暴力とセクシュアリティについて「La violence dans les Manga」、「Sexualité et Manga」、翻訳の問題を「traduction et lettrage : l'adaptation en question」のテーマで取り上げる。

アングレーム国際コミック(バンド・デシネ)フェスティバル2011
(Festival International de la Bande Dessinée)
http://www.bdangouleme.com/