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日本SF大賞に2作品「ペンギン・ハイウェイ」「日本SF精神史」

日本SF作家クラブと徳間書店は、12月6日に第31回(2010)日本SF大賞の受賞作を発表した。受賞作品は森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』、そして長山靖生さんの『日本SF精神史』の2作品である。

日本SF大賞は日本SF作家クラブの主催、徳間書店の後援で1980年より設けられている。対象作品を小説だけに限らず評論やマンガ、イラスト、映像、音楽まで幅広く捉えており、国内のSF分野の賞として広く知られている。

第31回は2009年9月1日から2010年8月末までの間に発表されたSF作品を対象とした。冲方丁さん、貴志祐介さん、豊田有恒さん、堀晃さん、宮部みゆきさんの5人の選考委員からなる選考会が候補作品から2作品を決定した。

『ペンギン・ハイウェイ』の森見登美彦さんは、1979年、奈良県生まれ。2003年に『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビューした若手作家だ。今年テレビアニメシリーズ化された『四畳半神話大系』や『きつねのはなし』といった代表作がある。『ペンギン・ハイウェイ』は、郊外の住宅地に住んでいる小学校4年生の主人公が街に突然現れたペンギンの群れの謎を解く。

一方、『日本SF精神史』は、日本SFの誕生を150年も前から読み解く。日本のSFはいかに形成されたのか、多様なSFの系譜をたどる。近代日本SF 史の挑んだ意欲作である。本作は既に2010年の第41回星雲賞(ノンフィクション部門)も受賞している。これまで決して多くなかったノンフィクションからの大賞受賞は、作品の評価の高さを窺わせる。

また、日本SF大賞と同時に特別賞も発表された。今年1月16日に逝去した柴野拓美さん、2月14日に逝去した浅倉久志さんの2人に贈賞される。長年にわたるSF界への功績を讃えるものである。 

柴野拓美さんは、E・E・スミスのレンズマン・シリーズなどの海外SFの翻訳、SF評論、さらに数々のアニメ作品のSF考証でも知られている。また、日本初のSF同人誌「宇宙塵」の主宰、編集を行った。同誌からは数多くの作家、翻訳家、評論家が誕生した。

浅倉久志さんはSF翻訳大家として知られた。とりわけカート・ヴォネガット、P・K・ディック、ウィリアム・ギブスンの翻訳は有名である。海外のSF作家紹介にも力を入れ、日本のSF界に大きな影響を与えた。

日本SF作家クラブ http://www.sfwj.or.jp/
徳間書店 http://www.tokuma.jp/



[日本SF大賞]
.『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦  (角川書店)
.『日本SF精神史』 長山靖生  (河出書房新社)

[特別賞]
.柴野拓美
.浅倉久志